2013/12/17

IWGレウク-フィールドテスレポート01

元々はIWGナイフと呼んでいましたが訳ありで改名「IWGレウク」とすることにしました。

IWGのコース用に作り、学校での活動を中心に今までの約4ヶ月間フィールドテストを行ってきました。冬季のテストはまだですが、その前に一度今までのテスト結果をまとめておきたいと思います。

現在こんな感じ。だんだんと貫禄が出てきましたw


はじめてガッツリと使い込んだのはIWG2週目のフォレスト・ウィーク。一週間のキャンプでのナイフ仕事全てをこの一本でこなしました。
そして、この時のテスト目標は「どの位長切れするか」ということで、帰宅するまで研ぎやタッチアップは全くしない条件です。

行った作業内容としては>
焚きつけ作りのバトニング
フェザースティック作り
テントペグ作り
ウッドカービング少々
チョッピング少々
ロープ切り
活動中は常に腰に下げる

フェザースティックはこの写真のような感じでさくさくとほぼ毎日、勿論下地になる小割りはバトニングで。

ウッドカービングはバターナイフ作りなど、とにかく色々な樹種を相手に作業でした。

結果として、最後までタッチアップの必要性は全く感じられず。帰った後もしばらくはまったく研がずに使用し続けることが出来ました。




ただ、一つだけ問題が。キャンプ三日目あたりでベルトループが落ちる寸前にまで解れた事。皮ひも2本を撚って、ノットレスのループを作ってあったのですが、連日腰に下げ歩いているストレスに縒りが緩んでしまったようです。その場で縛って対処できましたが、気づかずにいれば紛失していたことでしょう。









第二のテストは第4週目のクッキング・ウィーク
この週は羊の解体から始まりました。解体にどの位使えるのか?を知る良い機会でした。

先ずはスキニングから。これは色々と大きなナイフの不便さが経験できました。余計な部分を切らないために刃は短いほうが良いので短く持つのですが、そのためにはIWGレウクではほぼ刃のみを握るような感じで持たなければなりません。慣れてくると問題は無いのですが、やはりこれは不便です。また、切っ先部分がとても大きくカーブしてますので、不便ではない物の、まどろっこしさを感じました。

部位の切り取りに関しては独壇場。とくに通常のプーッコでは手に負えないアバラの切断は、一振りで写真のように切り抜けました。切断後の刃の状態は、マイクロチッピングが2箇所出たのみ。この結果には大満足です。
また、解体中は常に水や血、脂肪にまみれている状態でしたが、ハンドルの加工等に異常が出ななったのも満足です。

実際の料理では、たまねぎの千切り、ジャガイモ等の野菜を切る作業を快適にこなせました。唯一どうにも困ったのが刃のポイントを使う作業。小さな穴を穿つ、突き刺す作業は他のナイフの助けが要りました。


そしてクラフトウィーク。
サバイバル状況下で便利なクラフトから、お客様を喜ばせるための一芸ハンドクラフトまで幅広く行った一週間でした。ここでもやはりポイントが問題になり、小さな穴をえぐることが出来ませんでした。それ以外の作業は全て難なくこなせるのですが。。。


で、これまでの結果としては「大成功!」のナイフです。そもそもパワーのあるナイフを求めて作った物ですので。これだけのことがこなせれば申し分なしです。問題の出たのは細かな作業を必要とする部分のみ。出来ない分野はそれを得意とするナイフに投げてしまえば良い訳ですしw

ただし、シースにはもう少し工夫が必要です。ベルトループの問題。これはループの繋ぎ方を研究する必要があります。
あともう一つ、時々片手でナイフが抜けない問題。これの原因は3つありまして、
1>手が滑って柄をしっかり掴めない。
2>レザーが湿気でナイフの柄に吸い付く。
3>1と2のコンビネーション。

レザーや仕上げを変える方法も検討中ですが(←勉強不足で手が無いだけですw)、とりあえず機械的な対応策を今試作品にてテスト中です。





2013/12/15

IWG week 7 & 8 - ロシアの大自然への旅 (ガイド日)

前回の記事でも紹介しましたが、日替わりでクラスの誰かがガイド役をします。そして6日目は私の番。地図を見るだけも予想できるように、結構タフなルートです。

地図上でたてた予定のルート。山越えが一番の難所。

この日午前は最後尾に着くガイド役。グループがはぐれない様に先頭と連絡取りながら現在地を認識し続けるのが仕事。予想に反して昇り降りが多く、この午前の部も楽な行程ではありませんでした。お昼休みのポイントについた時にはグループの数名がギブアップ気味な状態。
そこで午後は出来るだけ等高線伝いに歩き始めることに決定。

午後は私が先頭ガイドとなり、中間地点、ベアリングを変更する地点まで山腹を高度キープして歩く予定だったのでした。しかし大きな岩肌が露出した斜面を避けなければ無かったため、予定よりもだいぶ低い高度から登りを開始することに。45度の斜面をほぼ直線に数キロ上る羽目になってしまいました。
まさに這う様にして登ったその向こうは、更に登りでしたw

行程の最高地点ではすばらしい展望を満喫。疲れを忘れさせてくれました。

急な谷を一気に下ります。が、足元は浮石だらけ。ルート取り完全にまずかったです。 
くだりのルート選択は完全に失敗。足元は浮石と大岩で埋められた急なくだり。雨降りでなかったから可能だった物の、そうでなければ確実にけが人が出るような場所でした。

全員無事に下山し、キャンプ予定地へ日没前に到着・・・が、問題が浮上。予定していた水場が枯れてます。小さな流れの最上流側なので、キャンプ地を探しながら下流へ移動することに決定。湖まで約2kmなので、湖まで下りても暗くなる前にはキャンプ地見つかるだろう!と言う計算です。

しかし、地図を読み間違っていたようで、歩けど歩けどキャンプ地候補どころか湖にも出ない。あたりはどんどん暗くなるし、キャンプ地が見つからないのでは・・・グループの疲れもピーク気味、と言うプレーッシャーがかかって、出す足一歩一歩が不安に。
それでも何とか完全に暗くなる前にキャンプ地を見つけることが出来ました。
湖に到着、キャンプに適した場所をを探し始めます。

完全に暗くなるぎりぎりでチャンプ地決定となったわけですが、最終的に『お客様』はハッピー。大変な行程で予定変更などもありストレスある一日でしたが、すばらしい景色を眺めたり、登山模したりと楽しめたようです。


翌日は休憩日。朝はゆっくり、太陽の出ている間にギアメンテです。

まさに山の天気、7降ったり止んだり。気温の変化も激しかったです。

サバイバルナイフを持って来ているクラスメイトがいました!「子供の頃に買ったんだ!」と言っていました、 "Jungle King II" です。


水力発電所のバックウォータを兼ねる湖ですので大量の流木が漂着していました。







旅は終盤に入り、メインイベントのパーナ湖に立ち寄り昼食。この湖、大きすぎて対岸が見えません。
神秘的な景色で楽しませてくれたパーナ湖

湖岸の砂地には新鮮な熊の足跡。.


湖の東西を渡す唯一の橋。解る人はピンと来るかな?ロシア軍放出の野戦架橋ですw

トナカイの食べるコケ(ハナゴケ類)の絨毯が数キロ続きます。

こんな斜面を登り下り

氷河期が作り出したエスカー。この峰を上手く繋ぐ様にルート取りするのがコツ。

最終夜。この日の課題は『パーフェクトなキャンプを設営しろ!』でした。

この旅は出発から帰宅するまで、本当に多くのことを学び続けることが出来たたびでした。手持ちの知識、小技をフルに活用し、更に新しく学んだことをその場で取り入れ。それでもまだまだ学ぶことがでてくる。これほど充実した旅はそれほど多くは出会わないでしょう。
きついながらも100%楽しんだ感じです。機会があれば今度は一人で、または本当のお客様を連れて行ってみたい場所です。