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2017/04/30

なんとも異常に雪の日が続く春です・・・

皆様いかがお過ごしでしょうか?

日本はもう桜も終わり…の頃の様ですが、こちらフィンランドでは、雪がほとんど降らなかった冬の憂さ晴らしか、春の今ごろになって毎日のように降っております。



それが理由ではないのですが、ちょっとCADデータを必要とする予定が出てきたので、すごーく久しぶりにCADとにらめっこ。コマンドなんてすっかり忘れてしまってるので線一本引くのに時間がかかること。幸いにも必要なのは2Dなので何とか完成。

あとは試作品を触りまくってデータを調整です。

2015/09/05

新作2本

販売用ワンオフナイフ2本完成しましたのでお知らせと紹介です。ご購入希望、詳細等のお問い合わせはメール(bushnblade.sales@gmail.com)、もしくはBush n' Blade のHPよりお願いいたします。

先ずはこちらの一本。Iso Puukko(大きいプーッコ)
問 Info>https://sites.google.com/site/bushnbladeshop/sale
刃渡り: 139 mm
刃厚: 5.1 - 5.4 mm (ティップヘビー)
元幅 : 30 mm
柄長: 126.7 mm
鋼材: C 0.9 / Si 0.2 / Mn 2.0 / Cr 0.4 / V 0.1
柄: 縮れ樺・真鍮
スペーサー: 白樺樹皮
柄金具: 真鍮・銅
シース : 牛革


と、こんな感じのスペックです。
で、この大きさでなぜ『レウク』としなかったのか?理由は、大型のプーッコをレウクのスタイルで仕上げた一本だからです。とてもレウクに近い形のブレードですが、基本的にプーッコのブレードを大きくした感じ。こうすることでプーッコの感覚で更にヘビーな仕事もこなせるのが狙いです。
ブレードプロファイルは幅広ながらも回し易い様わずかにダイヤモンド+ベベルは薄いコンベックスにすることで、プーッコの切れとレウクのタフさを持たせてあります。
タングは伝統的な柄を貫通するスティックタングですが、刃に近い方は私のプーッコらしく幅がとても広いです・・・(見えませんがw)。
ブレードの仕上げは使用傷が目立ち難い打ち肌仕上げに実用磨きとなっております。

ちなみにこちらのナイフ。フェイスブック上でのナイフメイキングコンペにて5位をいただきました。応援、投票してくださった方々、ありがとうございます。


そして2本目はこちらのFiresteel & Knife combo(ファイヤースチール&ナイフコンボ)
問 Info>https://sites.google.com/site/bushnbladeshop/sale
刃渡り: 48 mm
Blade thickness(刃厚): 3mm
元幅 : 16 mm
柄長 : 90 mm
鋼材: C 1% tool steel
柄: スパルテッドバーチ
ファイヤースチール: フェロセリウムロッド&スパルテッドバーチ
シース: 牛革
紐): トナカイ皮 約60cm(周)
 




フェロセリウムロッドと小型ナイフを一つに収めたコンボナイフです。
シースはカウハバなどの伝統的なプーッコのシースに見られるタンデムシースを取り入れ、カウハバ調のデコレーションでアクセサリー感も出してみました。通常のナイフ+フェロセリウムの組み合わせとは一味違った形状ですので面白いかと思います。

ネックナイフ式ですので携帯し易く、また、下げ紐は金具でで簡単に長さ調節を行えます。
コンボナイフですのでナイフの背はエッジを立て、フェロセリウムロッドのストライカーとして使用できます。また、フェロセリウムロッドは火花を飛ばし易い物である事にこだわって探し、ライトマイファイヤーと同等の使い心地の物を採用してあります。

2015/08/15

変り種、コレクター向けプーッコ


変り種、コレクター向けプーッコになりますが面白いかなぁと思いますので紹介です。

ポヒヤンマースタイルのプーッコです。



カウハバスタイルのシースにレウクスタイルのブレードと変な組み合わせです。

全くカテゴリが違う様に見えるこの2本、実は同じカテゴリのプーッコです。



???と思いますか?

←この写真を見ていただければ納得かと思いますが、実はこの2本、ミニ・プーッコと呼ばれるカテゴリの物です。





ミニ・プーッコ、その名の通りミニチュアサイズのプーッコで大体マッチ棒位の大きさです。で、このミニ・プーッコ、面白いことに結構歴史があり、古い物が時々出てきて、良い物はコレクターの間で中々の値で取引されます。

で、何故こんな小さなプーッコにコレクターの人気が集まるか?
先ず、この大きさですがその作り方は手抜き無しで、通常サイズを作る時と同じ作り方をするからです。
これはどうやら、昔カウハバ辺りの鍛冶屋が、面白半分の腕自慢に作ったのが始まりらしい・・・と言うのが説で、古い物を見るとその造りの精巧さには感激します。
そして理由2は『腕自慢』に作った物なので数がとても少ない!1本か2本作って「どうだ!!」と自慢したらおしまいなのでその後は作らないわけです。
これだけでもコレクターを熱くさせる理由になるのですが、これに加えて、これらのプーッコには通常銘が打たれていない。これが『面白半分』の部分らしく、出来から誰の仕事か当ててみろ!と言う事らしいです。

そうなればコレクターは勿論アーデモナイこうでもないと推測し合うわけです。粋ですねぇ、昔のプーッコ鍛治w

これらのプーッコの見所ですが
・その小ささ
・精巧さ
・作者当てクイズw
の3点となります。

 

ちなみに今回写真に写っている物ですが、ポヒヤンマースタイルの物は私の作。真面目に鍛造でベベル出しまで打って作ってますし、まともに切れます。
レウクスタイルの方はあのラウリ・ブレードのLauri(ラウリ)作です。レウクスタイルの物はお土産用量産ミニ・プーッコなのでかなりの量が出回ってます。

2014/01/24

IWG week 14 & 15とIWGレウク-フィールドテスレポート02

皆様あけましておめでとうございます。予定よりとても遅くなってしまいましたが、2014年の初アップです。

2013年は大忙しの年となり、ブログやビデオのアップ量がとても少なくなってしまったのが残念に思います。が、ナイフやアウトドア関係での新しい繋がりができたり、新しいことを始めたりと色々実りの多い年となりました。
また、私の作ったナイフを購入、注文してくださった方々、本当にありがとうございました。この出来事は大きく励みになり、昨年だけでなく今年への活力ともなっております。



さて、2014年の記事初めは、昨年末の学校での活動報告と、内容が重なりますのでIWGレウク-フィールドテスレポート02もまとめて一つの記事でアップします。

ウィルダネスガイドの持つ道具といえばやはりナイフ。とても重要な道具ですので、それなりによく理解しておく必要があります。そこでIWGでは「とりあえず一本作ってみよう」というしゅうがありました。ナイフを作ることで、基本的な木、革、金属の加工方法も学びましょう!が目的。

先ずはセオリーから。「ナイフは何からで作られていますか?」の質問・・・はっきり言ってまじまじと考えたこともなっかたです。鋼、木、プラスチック、真鍮、骨、角、革等々様々な材料が使われているわけで、それだけを取ってみてもナイフ作りは興味深いです。
その後なぜ鋼を使うのか?鋼とは何か?等基本的なことを学び各自それぞれのデザイン描き作業に入りました。
私は事前に作りたいものが決まっていたのでそれを作ることに。レウクでの反省点と改善策を早速織り込み、IWGレウクよりも取り回しの良いサイズをデザインです。

鍛造と削り作業が完了した物。

ナイフの作り方としてはそれほど学ぶことはありませんでしたが、鍛造する事に関しては多くを学べました。同じ事をやるにももっと効率よく、そしてベターな結果になるような鎚使い、加熱方法、手早い伸ばし方などなど、実際に見てみないと学べない部分は多いですね。今まではネットの情報が先生でしたのでとても有意義な授業でした。


そして、これが今回完成したもの。IWGプーッコです。




今まで使用してきた大きいサイズの物と基本的同じデザインですが、ブレードの方は大きく異なり、どちらかというと、プーッコに近い姿となっています。


刃>8cm
厚さ>約4mm
ダイヤ型のプロファイルでスカンジ・フラット・グラインド
木>ナナカマド






IWGレウクとプーッコを並べるとこんな感じに違います。プーッコ型にして、ポイントを細くしてあります。切り刃のラインはストレート部が殆ど無いのも今回取り入れた案。コハンスキのサバイバルナイフからアイディアをいただきました。



レウクの方で問題が出たループ。縛り方編み方を代えてテストしてみます。

もう一つ新案。左がレウク、右がプーッコのシース口です。ふちを一部厚く整形しました。サムプッシュというか、柄を握りながら、人差し指などでこ部分を押すと片手で抜きやすくなる様にです。レウクの方は時々両手を使わないと抜きにくいことがあったのでその対策です。




こんなかんじで、今後はレウクとプーッコの2本をフィールドテストていきます。









2013/12/17

IWGレウク-フィールドテスレポート01

元々はIWGナイフと呼んでいましたが訳ありで改名「IWGレウク」とすることにしました。

IWGのコース用に作り、学校での活動を中心に今までの約4ヶ月間フィールドテストを行ってきました。冬季のテストはまだですが、その前に一度今までのテスト結果をまとめておきたいと思います。

現在こんな感じ。だんだんと貫禄が出てきましたw


はじめてガッツリと使い込んだのはIWG2週目のフォレスト・ウィーク。一週間のキャンプでのナイフ仕事全てをこの一本でこなしました。
そして、この時のテスト目標は「どの位長切れするか」ということで、帰宅するまで研ぎやタッチアップは全くしない条件です。

行った作業内容としては>
焚きつけ作りのバトニング
フェザースティック作り
テントペグ作り
ウッドカービング少々
チョッピング少々
ロープ切り
活動中は常に腰に下げる

フェザースティックはこの写真のような感じでさくさくとほぼ毎日、勿論下地になる小割りはバトニングで。

ウッドカービングはバターナイフ作りなど、とにかく色々な樹種を相手に作業でした。

結果として、最後までタッチアップの必要性は全く感じられず。帰った後もしばらくはまったく研がずに使用し続けることが出来ました。




ただ、一つだけ問題が。キャンプ三日目あたりでベルトループが落ちる寸前にまで解れた事。皮ひも2本を撚って、ノットレスのループを作ってあったのですが、連日腰に下げ歩いているストレスに縒りが緩んでしまったようです。その場で縛って対処できましたが、気づかずにいれば紛失していたことでしょう。









第二のテストは第4週目のクッキング・ウィーク
この週は羊の解体から始まりました。解体にどの位使えるのか?を知る良い機会でした。

先ずはスキニングから。これは色々と大きなナイフの不便さが経験できました。余計な部分を切らないために刃は短いほうが良いので短く持つのですが、そのためにはIWGレウクではほぼ刃のみを握るような感じで持たなければなりません。慣れてくると問題は無いのですが、やはりこれは不便です。また、切っ先部分がとても大きくカーブしてますので、不便ではない物の、まどろっこしさを感じました。

部位の切り取りに関しては独壇場。とくに通常のプーッコでは手に負えないアバラの切断は、一振りで写真のように切り抜けました。切断後の刃の状態は、マイクロチッピングが2箇所出たのみ。この結果には大満足です。
また、解体中は常に水や血、脂肪にまみれている状態でしたが、ハンドルの加工等に異常が出ななったのも満足です。

実際の料理では、たまねぎの千切り、ジャガイモ等の野菜を切る作業を快適にこなせました。唯一どうにも困ったのが刃のポイントを使う作業。小さな穴を穿つ、突き刺す作業は他のナイフの助けが要りました。


そしてクラフトウィーク。
サバイバル状況下で便利なクラフトから、お客様を喜ばせるための一芸ハンドクラフトまで幅広く行った一週間でした。ここでもやはりポイントが問題になり、小さな穴をえぐることが出来ませんでした。それ以外の作業は全て難なくこなせるのですが。。。


で、これまでの結果としては「大成功!」のナイフです。そもそもパワーのあるナイフを求めて作った物ですので。これだけのことがこなせれば申し分なしです。問題の出たのは細かな作業を必要とする部分のみ。出来ない分野はそれを得意とするナイフに投げてしまえば良い訳ですしw

ただし、シースにはもう少し工夫が必要です。ベルトループの問題。これはループの繋ぎ方を研究する必要があります。
あともう一つ、時々片手でナイフが抜けない問題。これの原因は3つありまして、
1>手が滑って柄をしっかり掴めない。
2>レザーが湿気でナイフの柄に吸い付く。
3>1と2のコンビネーション。

レザーや仕上げを変える方法も検討中ですが(←勉強不足で手が無いだけですw)、とりあえず機械的な対応策を今試作品にてテスト中です。