タープをシェルターとして使うので『タープシェルター』と呼ばれますが、これはオープンシェルターの部類になります。シェルターとしては最も原始的といいますか、最もシンプルで基本的なシェルターです。しかし、ドーム型テントが主流になっている現代、敷居の高いサバイバルなシェルターになってしまっているようです。
今回紹介したいのは色々あるタープ中でも3mx3mの物です。このタープ、フィンランドでは特にErätoveri(エラトヴェリ)もしくはETと呼ばれます。Erätoveriとは訳すとウィルダネス・コンパニオン(荒野の相棒w)の意味になり、つまりは『これさえあれば寝る場所に困らんぞ!』というすごいシェルなのです。
で、何がすごいのか?といいますと・・・
>多様な形のシェルターを組めるので、気分や状況に合わせて都合の良いシェルターを設営できる。
>パッキング時のサイズが小さく軽い。
>ペグや支柱などは基本現地調達。
>メンテナンス、修理が簡単。
等々あります。
が、
>基本オープンなのでプライバシーの確保が難しい。
>使い方をよく理解していないないと悲惨なキャンプ体験となる。
等の不便な点もあります。
タープシェルターの張り方色々>
ETシェルターは本当に多くのパターンで張ることが出来ます。その一部ですが、私が実際に利用したことのある張り方で、実用的な張り方をいくつかここで紹介しておきます。
- 写真内のシェルターモデルは1/10サイズ(30cmX30cm)です。
- 黒い棒のような物は人のモデル、長さ20cmです。
- それぞれの張り方の名前も紹介しておりますが、必ずしも正しい名前、通名で無い場合があります。
ダイヤモンド
最も基本的な張り方で、設営が簡単です。
2人+荷物少々のスペースがあります。
設営に必要なスペースが広く、使えない床面積が大きいのが問題です。
水平に、空中に浮かすように張ると、ダイヤモンドフライとなります。
風向きに平行となる様に設営します。
ペグは、タープの底辺が地面に出来るだけ密着するように打ちます。隙間があると風が集中して抜けるので寒くなります。
頂点1は出来るだけ高く固定します。低いとタープの水はけが悪くなり、また、内部空間に余裕がなくなります。
ポイント19をロープなどで引き、ボリュームを持たせるのも良い方法です。
写真のモデルは基本形なのでそうしてありませんが、ポイント9は内側に折り込んだほうが良いです。
ロウエ
私の自作タープで可能な形ですが、お勧めなので紹介しておきます。
フィンランドのオープンシェルターLoueと合わせて使うことが出します。
ダイヤモンド型より設置面積が狭く、床の殆どが有効面積となります。
風向きと平行に設営します。
1人+荷物のスペースがあります。2人も可能ですが窮屈です。
ダイヤモンドとの違いは、半円錐形になることです。
20,21,22のペグは、タープの底辺が地面から10cmから15cm浮くように、ガイラインを追加して打ちます。
底辺に隙間が出来ないように気おつけます。
頂点1は出来るだけ高く固定します。低いとタープの水はけが悪くなり、また、内部空間に余裕がなくなります。
ポイント19をロープなどで引き、ボリュームを持たせるのも良い方法です。
ロウエ(前フラップ付き)
ロウエのバリエーションです。
基本的にロウエと同じですが、フラップが付くことで、シェルター内の保温性が良くなります。また、頂点が低くなり、ハーフティーピーに近くなりますので、風にも強くなります。
ポイント17が頂点になります。
ポイント1,2,16はまとめて地面、木などへ固定します。
ロウエ(ハーフサイズ)
もう一つロウエ型ですが、こちらはタープ半分をグランドシートとして使えるので紹介しておきます。
一人が限界の大きさです。一泊に使うには少々窮屈です。短時間の利用、荷物置き場用等の使い方が良いかと思います。
1を頂点とし、19は地面から10cm~15cm浮くように、ガイラインを追加して打つとスペースが少し広くなります。
アローヘッド
もう一つタープの一部をグランドシートとして使えるシェルターを紹介。
一人が限界の大きさです。一泊に使うには少々窮屈です。短時間の利用、荷物置き場用等の使い方が良いかと思いますが、設営はとても簡単です。
風向きに平行もしくは斜め後ろから、となる様に設営します。形的に錯覚を起こしやすいので、設営時の風向きに対する角度設定に気おつけてください。
ポイント1が頂点になります。
ポイント5&9はまとめて一本のペグ。
ポイント6&8もまとめて一本のペグ。
リーンツー(フラップ付)
リッジランが必要となるので丈夫な支柱二本が必要になります。
1人+荷物のスペースがあります。2人も可能ですが窮屈です。
床すべてが有効面積です。
前屋根が大きく出ますので焚き火を雨から守り易いです。
ロングファイヤーと併せると、とても効果的にシェルター内を暖められます。
風向きに平行となる様に設営します。
ポイント3と15はリッジラインに固定します。
ポイント1は紐で地面や木などに固定します。また、頂点1はリッジラインより低くなる様にしてください。水平付近だと雨水が溜まります。
ポイント19を使って更にボリュームを出すと良いです。
リーンツー
最もシンプルなリーツー型です。
4~5人くつろげます。
夜を過ごすためのシェルターとしてはお勧めしませんが、風除け、日よけとして使うには良いです。。
風は後ろから。
これに前から風が吹き付けるとかなりのストレスがかかります。支柱、リッジラインの紐は出来るだけ丈夫な物を選んでください。
ペグは打てるポイント全て(5~9)に打ちます。
リッジラインへの縛りつけも、使えるポイント全て(1、13~16)を使います。
ポイント19を使ってばたつきを抑えると更に良いです。
リーンツー(グランドシート付き)
リーンツーとほぼ同じですがシェルターの一部をグランドシートとして使います。
グランドシート部の大きさを調整することで1~2人ほど横たわれる広さがあります。
グランドシート部を小さくしたい場合はポイント4-10のラインで折ります。
Aフレーム
最も良く知られたタープシェルターの形です。設営がとても簡単で、3人程がはいれる広いスペースがあります。
宙に浮かすように張り、ハンモック泊用のシェルターにするには良いですが、両側が開いてますので風抜けがよく寒いです。
モデル写真ではリッジラインがタープの下を通ってますが、タープの外に渡した方が雨水が伝わって浸入してくるのを防げます。
風は前か後ろからあたる様に設営します。
ぺナ・ラーブ(pena laavu)
フィンランドでよく見る変形ラーブ、ぺナ・ラーブ型です。片側だけですが閉じてますので保温量くは大きく上がります。
少々窮屈目の奥行きですが、2人入れます。
風は横から当たる様にすると入り口直前で焚き火が使えます。
後方部となる折り返し部分が少し面倒なシェルターです。
Aフレーム (閉鎖型)
ここで紹介するもので、唯一プライバシーを確保できる形です。Aフレームの形から両側の裾を折りいれ、閉じることが出来ます。2人入れる広さがありますが、奥行きは窮屈です。
設営は、ポイント1と5、13と9を縛り合わせてから行うと張りやすいです。
張るときの注意点や、タープシェルターの使い方に関してはビデオ内で説明していますので、そちらをご覧ください。
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