2012/07/07

フィンランドのナイフ - プーッコ?プッコ?


ブログやYouTubeを通してナイフ、特にフィンランドのナイフに関しての質問が時々届く。コメントやメッセージを頂けることはとても嬉しいし、それが質問だったりすると、出来るだけ必要としているであろう情報に絞って返答することにしている。しかしコメントやメッセージでは書ききれない、書き足りないことも多くて歯がゆい気持ちにもなる。
そんな返答を何通か書いているうちに、どの筆問にも似た内容が含まれていることに気が付いたので、フィンランドのナイフについて少しまとめてみたいと思う。

(お断り>>このブログ記事で紹介している情報には、正しくない物が含まれている可能性があります。紹介している内容は、筆者がプーッコと付き合い始めてから得た情報を基にしています。ソースをたどれる物もあればそうでない物もあり、思い違い、個人的な意見を含みます。その事を良く理解してお読みいただくことをお勧めします。)

‐‐‐‐ プーッコ?プッコ?
まず、一番先に紹介したいのはフィンランドのナイフの名称の読み方。フィンランドのナイフと聞いて一番最初に思い浮かべるのは、多分あの民族刃物的な形をしたPuukkoではないかと思う。で、この「Puukko」の読み方なのだが、正しいのは「プーッコ」。プッコだと綴りはPukkoになり、その様な単語はフィンランド語にはない。残念なことにあのWikipediaでは「プッコ」で表記されてしまっているのでその読み方で広がりつつある。

ところでこのPuukko(プーッコ)の意味だが、訳すと「ナイフ」と言う意味になるのだが、こういった言葉がある「全てのプーッコはナイフであるが、全てのナイフはプーッコではない」。つまりフィンランド式ナイフの全てをプーッコと呼ぶわけでは無いので覚えておいて欲しい。ちなみにスウェーデン語とノルウェー語でのナイフはKnivである。

スクリーンをキャプチャ> http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%83%E3%82%B3 




‐‐‐‐ フィンランドのナイフ色々

日本語で包丁、小刀の様に刃物によって呼び方が違うように、フィンランドでもナイフによって違う名称がある。プーッコはすでに紹介したが、その他にはレウク、ヴェイツィと呼ばれるナイフがある。それぞれその形、用途に違いがあり、フィンランドでははっきりと使い分けられている。

プーッコは多目的に使用されるナイフで、工作からキャンプ周りの仕事そしてもちろん狩猟にまでこのナイフは多用される。フィンランド人男性なら大抵1本は持っているだろうと言われるこのナイフ。20年くらい前までは日常携帯していてもお咎めが無かった。今でも、大工や軍人はこれを腰に下げたままカフェ等に出入りしているのを頻繁に見かける。それほど生活に密着したナイフである。

レウク、この名前も知っている人は多いかと思おう。フィンランドの北方、ラップランドの民サーミ(もしくはサーメ)のナイフで、彼らはこれ一本で生活に必要なことは全てこなしてきた。サーミの人々にとってレウクは、まさにツール・オブ・ライフである。

ではヴェイツィとは何か?多分一番聞きなれない名前だと思うが、ヴェイツィ(Veitsi)とはフィンランド語の包丁にあたる言葉である。ただし、日本語の包丁よりも広義に使われ、一般的にはプーッコでもレウクでもないナイフは殆ど「ヴェイツィ」と呼ばれる(フォールディングナイフに関しては人によってプーッコともヴェイツィとも呼ばれるので曖昧)。このヴェイツィの中でこのブログ記事として特に取り上げたいのは「エマンナン・ヴェイツィ」と呼ばれる物。女性用のユーティリティーナイフで、料理をすることを主目的にデザインされたナイフである。



つづく・・・

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