2012/07/30

フィンランドのナイフ - レウク

少し時間が空いてしまいましたが、フィンランドのナイフの話を続けます。が、本題に入る前に今回の記事のために写真を提供してくださったWeekend WoodsmanPerkele´s Blogにお礼を申し上げます。"Thank Weekend Woodsman and Perkunas for letting me use your pictures.





今回はレウク(フィンランド語ではLeuku)、これもフィンランドの伝統的な刃物で、特にラップランドの民サーミ(もしくはサーメ)の生活に密着したナイフです。



・レウクとプーッコの違い

レウクとプーッコを比べたとき、すぐに目に付くのはその大きさ。約10cm前後の刃渡りを持つプーッコに対し、一般的なレウクは20cm前後。

Photo /写真提供: Weekend Woodsman 


長さもそうなのだが、刃幅、グラインドそしてハンドルの形状ももちろん異なる。
刃幅は広いが、エッジ幅は狭い。峰は真っ直ぐに、腹は比較的長くポイントに向け反りあがる。

プーッコと同じくヒルトを有せず、ハンドルとブレードの境は同じ幅。このため必然とグリップも幅が広くなるのだが、その代わりに薄め楕円形。
レウクのハンドルで最も特徴的で、重要なのは、ハンドルエンドのラッパ状の広がり。このハンドルエンドの形状は、どのレウクをとっても共通である。



・レウク色々

「どのレウクをとっても共通である」と書いたが、レウクにも色々有るのか?
プーッコにも色々と地域性があるようにレウクにも微妙な違いがある。今でこそフィンランド全域に広がっているレウクだが、もともとはサーメの特許ナイフのような物であった。それが人の動きと共に南下し、フィンランド全域で取り入れられるようになったのだが、この過程でブレードの形状に地域性も取り込まれた。

次の写真をみて欲しい。ブッシュクラフトフィンランドのメンバーでフィンランドのウッズマンシップの歴史に詳しいペルクナス(Perkele´s Blogの管理人)が選りすぐった、彼が最もレウクらしいと思うレウク5本。

Photo/写真提供:Perkele´s Blog

それぞれのメイカーを紹介すると、写真上から>
- Pasi Hurttila
- Antti Mäkinen / YP- Taonta
- Tero Kotavuopio
- Ilkka Seikku
- Jani Ryynänen

(最下部のレウクは伝統的ではないエッジプロファイルを持つが、これはブッシュクラフト向けに特注した物であるため。また、この5人の中で、この作者は唯一のセミプロ鍛冶である。その他はプロの鍛冶屋。)


5人それぞれ違った出身に基づく鍛冶スタイルを持ち、レウクにはそれぞれの地域性が出ている。
ぱっと見ではわかりにくいかと思うが、エッジが峰に向かった反りあがる「腹」の膨らみ方に注目してもらいたい。
Tero Kotavuopio(上から3本目)のものはとても細くゆっくりと反っている。それに比べ、Jani Ryynänen(下から1本目)はとてもふっくらと反っている。この2本はレウクの両極端を良く表していると思う。そしてその他のレウクの殆どはこの中間に収まる。



つづく・・・

2 件のコメント:

  1. Very nice leukus. Do you think you will buy/make one for yourself ever?

    返信削除
    返信
    1. thanks for letting me use your picture.
      As for buy/make one form myself, there are some ideas I am drawing up now, but making of it need to wait little more.

      削除